|
memo
 お茶を飲んでいたら年が明けていた。 煙草を吸ってたら1月も終わっていた。 お風呂に入っていたら2月になっていた。 くしゃみをしたら今日になっていた。 鉛筆をにぎったら、もう夜中。次の日になっている。 早いなぁ。ぼくが遅いのだろうか。 このままだと 歯を磨いてるあいだに来年になっていそうだ。 2月18日 夕方、電車にて。 電車の中のものがみんな窓に映ってた。 だから窓のそとに電車の中がもうひとつ並走している。 そとも中もおんなじスピード。のどかだね。 そとの電車内にも自分がこっちを向いて立ってた。 もうすこし姿勢よくしないとモテないだろうか。 ぼくの好きな建物見たいと思ってたらちょうど反対向きの電車がきて 見えなかった。こんなことばっかりだ。 （「アホ」って書いてあるように見える建物。） 鼻息で曇らせてしまった窓が早くもとに戻らないかと思っていたら 駅に着いてた。 2月11日 遅れているアニメーションの仕事に取り組んでいます。 あるていど計画的に進めないと時間がかかる。 この計画的っていうのが苦手なものだから、時間のほうをどうにかしようと 時計を振り返らないと見えない所に置いてみた。 ぼくの首は以前の時計の位置を記憶しているので「あ、ない」と一瞬思う。 それから頭が「場所変えたんだ」と思い、首が「後ろだった」と思う。 腰と首が連携して振り返るが、すこし面倒なので回数が減る。 これがぼくの狙いです。もしかしてけっこう計画的だろうか。 唇は時々、熱いお茶をすすっています。  2月8日 今日はすこしお酒を飲んでしまった。 それからデザインの作業。 ぼくはデザインがヘタなので、なるべくデザインしてないという風にみせる作業かな。 それからすこしゲップを。 家から自動販売機までのあいだの鳥のフンの数をかぞえた。 12個あった。ポタリポタリと白くドロップしてやがった。 ジャクソン・ポロックかサム・フランシスか。 2月7日 今はどうか知らないのだけど、ぼくが定期券を使ってた時は 駅名がおっきい文字でどこからどこまでって書いてあったので 例えば横須賀に住んでいると聞いていた人の定期券にほんとに「横須賀〜品川」なんて 書いてあるとやっぱほんとに横須賀なんだ。と、なんだろうか、胸がすこし切なくなった。 みんなそうなのかな。なんとなく横須賀でよかったのに。 賢治のなにかの童話で 教室の窓からお家に入る先生が見えたというシーンがあったのだけど それを思い出すだけでぼくはすごく悲しい。 2月6日 部屋のそうじをしてたら 前に七尾旅人さんの「蜂雀」っていうCDジャケットをかいた時にもらったデモMDがでてきた。 MDの最後に「おまけボーナストラック：宇宙のイネジー」とあり、ぼくが以前に冗談でつくった詩に 七尾さんが歌をつけてくれたのが入っている。激レアだ。でも誰にも聞かせないよフフフ。 イラストのラフと同じで歌のラフにもすごく魅力がある。 ミュージシャンの人もきっとザクッと作ったラフを越えるのに苦労するんだろうな。 今日はずっとルー・リードを聞いてた。 ジャケットの男の人の股間部分が素敵な事になっているのに今日気づいた。 しびれた。 2月5日 パン！セの打合せの帰り、ウキウキしていた（キモイ？）ので 近くのユトレヒトに寄って本をいっぱい買った。 グラフィティとか西海岸っぽいテキトーなドローイングが見たいって言ったら、 おもしろくてかっこいい絵の本をたくさん出してくれた。ありがとう。 電車で立っていたら、コツコツと杖をついたおばあさんがやってきた。 すれ違う時にぼく足の上にも地面と同じようにコツッとついて行ってしまった。 ぼくの足に気づいたかな。足を地面とか段差に思われたのなら、なぜかすこしうれしい。 実際、ぼくの足はその一瞬だけモノとしての演技をしたみたいに硬直した。 2月3日 ばく = バック = BAG = かばん ばく = かばん ばくさんのかばん = かばんのばくさん - アナグラム - かばんのばくさん = んんさばくのかば (最初の「んん」は痰がからんだような咳払いで） 1月25日 仕事して、ギターの練習。それからまた仕事して、ギターの練習。 仕事も絵の練習のようなものだから一日中練習してるみたい。 教育テレビでやっていた、ばくさんのかばん。好きだった。 これを英語にするとバクズバッグだろうか。ロックバンドみたいですごい素敵だなぁ。 好きだったわりにどんな番組だったかまったく覚えていない。 とにかく冒頭のすべり台のシーンだよね。ポップすぎて思い出すだけでまぶしい。 1月24日 最近なんだか夢を見てるみたいにまったりしていたんだけど、 朝からレッド・クレイオラの60年代のライブをいつもより3目盛り分大きい音で聞いたら調子がよくなった。 というか気分は悪くなった。気分は悪いが調子はいいというのもあるんだね。 あと、コーヒーのがぶ飲みね。 1月末にぼくが絵とデザインを担当した「めしもり山のまねっこ木」（作・椎名誠）っていう絵本が 国書刊行会からでます。すごく変でおもしろいお話なので真剣勝負しました。よろしくおねがいします。 （普通よりページが多くて分厚いので大変だった・・・） 1月18日  どこかの川沿いの家に引っ越す夢をみた。 巨大な家で表はきれいなんだけど裏手に回るとひどく荒れている。 車庫などは凄く汚いので「直さなくちゃなぁ」と思った。 その家の裏手の川は普通の川じゃなくて、なんというか「だんだん川になっている」遠浅な川で ざらざらの加工がしてあるコンクリートの川底からゆっくり水が打ち寄せていた。 家にあがり、エレベーターで各部屋を調べるとトイレが5個くらいあって、階も5階まであった。 なんかすごいところに越してきちゃったなぁと思っていると 窓の外にテレビカメラがいくつかあり、こちらを撮っているので不気味に感じたが どうやら家を撮ってるのではなくて、家の前をマラソンランナーが通過するというので カメラを構えているという。 家の前は有名な女子マラソンのコースであり、すこし離れたところに 有名なデザイナーも住んでいるとのこと。 その地図が表示されたが国道沿いのデザイナーの家の場所に「うどん屋」と書いてあり おかしいじゃないかと思っていたら目が覚めた。 1月17日  1月12日  1月11日 昨日あんまり寝れなかったから、夕方すこし寝た。 ぼくの机のとけいは7分くらい進んでいる。 どこかいく時は7分くらいひいて行動している。 パソコンのとけいはたぶん2分くらい遅れてて 携帯電話のデジタルのがきっとあっている。 なんとなく、いちばん好きなのは7分くらい進んでるとけいです。 夕方に寝たとき、猫がつきあって寝てくれた。 1月9日  1月5日から個展はじまりました。早速見に来てくれた人ありがとう。 お土産にお菓子やサツマイモなどをありがとう。 1月いっぱいまでやっていますのでぜひ見に来てください。 今日、すごい夢を見たのだけど忘れてしまった。儚いなぁ。 みんなで人の家のブロック塀を倒してから逃げるというおもしろい話だった。気がする。 1月8日 ぼくのばあちゃんはピザのことをピサパイと言っていた。 当時はなんかイライラしたけど、今思えばビフテキみたいにおいしそうな感じだ。 肉まんとあんまんとピザまんが目の前にある場合。 迷わずピザまんを選んでゆくというのがぼくの今の気分だ。 よくわからないよね。ぼくもわからないんだから。 5日からの個展はシルクスクリーンによる手刷りのイラストレーションの展示になります。 （作業が結構大変） ものすごくこだわって絵を描いているので、スコーンとしてバキッとした展示になりそうです。 お楽しみに。 SUNAOSUNAOは年末をまたいでしまった関係ですこし遅れます。スイマセン。 1月3日 またギターの道具を買ってしまった。 道具を買ってもちっとも上達しないんだけどね。 楽器屋さんで試した時、ヘタすぎて死ぬ程恥ずかしかった。 このあいだ見たGSワンダーランドっていう映画。小物が凝ってた。 エーストーンの赤いオルガンとかファズマスターとかよく探したなぁ。 ぼくはビザール好きなのでたまらなかった。 ・・・そんなことより個展の準備を進めなくては。 12月26日  Yonda?のキーホルダー。使ってたらボロボロになった。 ハゲハゲなのがかわいくもあり。 顔が薄くなってきたら黒いマジックでなぞって直している。 ぼく上手いぜ。 次、薄くなったら表情をかえてみよう。 12月24日 こんなにCDがあるのに、いくら探してもどれも聴きたくない気分の時がある。 どれもいいアルバムばっかりなのに。 手に取るものみんな昨日聴いたものばかりみたいに感じて棚にもどしてしまう。 目をつぶって、手にとったのを絶対聴くぞと、やってみる。 一枚手に取ると「今のは無し」という気分になり、何度やっても「今のは無し」になり 結局、目をつぶって探し物をする意味不明な人になっている。 飽きるって化け物だ。 聴かなければいい。無音で過ごせばそれでいいのに必死になって BGMに八つ当たりするぼくの姿は本当に化け物のようだろうな。 12月17日  前髪に綿のような白い糸状の物体がついていて 取ろうと思ってつまむと毛先にきゅっと結びつけてある。 いつも無理矢理引きちぎっているんだけど。何日かたつと また同じところに白い糸が結んである。 昨日もあったのでさすがになんだろうこれはと思っている。 生理現象（枝毛？）ならいいのだけど ちょっとなにかオカルト現象のようで恐い・・・。 知ってる方、情報を求む。 12月11日  またよくわからない一日が終わってゆく。 一日にタイトルをつけるような日記にしなくてよかった。 12月9日 お風呂上がりにヒゲを剃っています。 鏡が曇っているから、手でぐるぐると顔の映る面積だけこする。 しばらくすると、だんだん面積が小さくなっている。 すごく小さい面積になってしまった鏡の中心に誰かのくちびるが映っている。 ぼくの貧相なくちびるだ。 また手でぐるぐるするとぼくの顔がでてきた。 トム・ウェッセルマンていう画家のくちびるの絵をときどき思いだす。 エロくて素敵だ。色気のあるものをぼくは信じよう。 最近女のひとが口に塗っているヌラヌラするつや出しのリップみたいなのは とてもすきで見てしまう。 11月27日 なにか別のものを食べに行くはずだったのに 途中で見つけたカレー屋で食べることにしたという夢をみた。  自転車で坂を上っていたらカレー屋がやっていた。 坂の途中ということがやけにぼくの気に入った。  知り合いだけども、親しいという程ではないデザイナーの人の カレー屋だった。 ひとり用の席でいい？って言われ 案内されたのは普通のカウンター席だった。 他の席にはいかにもデザイナーっぽい人がいっぱいいて ぼくはいづらくなってしまった。  カレーが出てくるまでおもてで待つことにした。 他の人の自転車みたいに道路に対して平行にぼくの自転車を止め直そうとするが、 坂なので、手を離すとずるずると自転車が下がってしまう。 他の人はどうやってあんな風に平行に止めてるんだろうと思って 店のほうを見てみると  席に無数のマイクが立っている。 マイクがありすぎてめまいがした。 どうやら今から記者会見がはじまるらしい。 11月17日 寒くなってきた。 寒くなってくると、こどもの時に犬に噛まれて縫った傷がむずかゆくなる。 今もかゆい。 くちびるくらいの大きさの縫い傷がふとももにあって、その部分だけなんか皮膚が つるつるしていて薄い。触るとちょっと敏感。何十年たっても元にもどらないんだなぁ。 針と糸で肉を縫うなんて信じられなかった。  かゆくなるとウインドブレーカーの背中を犬の爪が引っ掻いてる音をまだ思い出せる。 噛まれて以来、犬が怖くなってしまった。 今もこわい。 子犬がかわいいと思ってもどうしても手が出ない。 かっこわるいなぁ。 ぼくは一生その呪いを背負っていくんだろうか。 11月15日 編集の人がきて、原稿をお渡しする。 早く着いてしまったらしく、時間より前にドアを開けたらそこでもう待っていた。 ぼくは人が来るとなると結構早くからそわそわしてしまうので それならこっちから行ってやると 外でたばこを吸いながら待ち伏せするのがすきだ。 木の下とか、石ころのとなりとか、絶対に動かないものに寄り添って 人を待つのはたのしい。 11月12日 ねこが1日2回してるんじゃないかと疑っている。 たしか朝に片付けたはずなのに、見るとある。こんにちは。 それとも片付けたのは昨日だったんだろうかと考える。 ひょっとしたら、1日のサイクルが人間と違うのか。 ぼくが勝手に1日1回であってほしいと理想化しているのか。 じっーと目を見つめても答えない。 2回ならしっぽをふってくださいと念じたが反応は無し。 そんなことをしてたら思いがけず、かわいいと思ってしまった。 なにやってんだぼくは。 11月6日 こんにちは、お元気です。 先月はちひろ美術館のトークイベントにきて頂いた方、ありがとう。 うまく話せただろうか？ 来年、トムズボックスでの個展は3月じゃなくて1月にやることになりました。 それから5月には葉山のhacoっていうギャラリーでも個展することになっています。 なんかつぎはぎの素敵な空間で、海も近くて楽しみです。 ※2カ所とも、内容は全然違うことをやります。 11月4日 中学生の頃。 とても渋いヘラブナ釣りに目覚めた。ひとりで朝早く起きてよく自転車で行っていた。 川沿いにいっぱい生えている枯れたススキの中からところどころに じいさんの顔とヘラブナ釣りの竿がニョキッとでていて不思議な絵みたいで好きだった。 すべてベージュに枯れていた。 ヘラブナ用のエサとか釣り針とかお小遣いで買ったり、手袋の指を切って改造したり 楽しかった。一日中、じっとススキの中に座ってるの。 好きになったら、どんどん好きになって図書館でヘラブナ釣りの専門書も借りた。 しらないじいさんに「どうです、釣れますか」とか生意気に話しかけたこともあった。 魚組合みたいなおじさんが回ってきて、300円とられたこともあった。 釣れたときのためにいつも魚籠を沈めていたけど、何回行っても結局一匹も釣れたことなかった。 でも別に釣れても釣れなくてもどっちでもよかった。 その近所の川に本当にヘラブナがいたかどうかも今となってはぼんやりしてる。 10月12日 渋谷のなに口だっけか、ふかふかした歩道橋。歩いた。 今日もムカつくほどに、やわらかだった。 靴ズレが直った。 かかとに三日間ぐらい貼りっぱなしだったバンドエイドをはがしたら かかとにバンドエイドのかたちにゴミがくっついていて、なんか可愛らしかった。 かわいそうに。ぼくと三日間過ごした跡をかかとに残して まるめてごみ箱に捨てられた。 10月11日 過去のmemo |
|||